これまでに約30,000件の申請と約2,000億円の採択を現場で向き合ってきた元審査官が、補助金の手順や申請するときにどのような点に気をつければいいのかなどについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。
補助金の申請を諦めてしまう理由
補助金の申請を諦めてしまう理由は、情報過多とその複雑性にあります。
助成金の種類が多岐にわたり、各々に異なる対象条件や使用目的が定められているため、「何から手をつけていいかわからない」と感じることが多いと思います。
さらに、申請には厳密な書類準備が求められ、間違いがあれば不承認となる可能性もあります。
これらの手続きには専門的な知識と時間が必要で、既に多忙を極める経営の日々において、さらなる負担となるため、「やってらんない」と感じる経営者も少なくありません。
このように、補助金申請のプロセスは、一見すると経営の助けとなるはずが、逆に重荷に感じられてしまうのです。
まずは補助金の申請が、『難しい』『ややこしい』『面倒くさい』と感じる理由について説明しておきます。
その理由は大きくわけて3つあります。
・1つ目 時間が足りない
・2つ目 複雑な要件
・3つ目 煩雑な手続き
この3点が補助金の申請が難しいと感じる理由になります。それぞれの理由について詳しく見ていきましょう。
時間が足りない
多くの人は日々の業務で忙しく、補助金の申請に必要な多くの時間を割くことができません。
詳細な書類を準備し、申請手続きを行うには集中的な時間が必要ですが、それを捻出するのは非常に厳しいです。
複雑な要件
マニュアルの言葉が読みづらく、補助金の申請要件も非常に複雑で、多くの細かいルールや条件があります。
これらの要件を完全に理解し、適切に対応するためには専門的な知識が求められ、多くの人にとっては大きな負担になります。
煩雑な手続き
申請プロセスが煩雑で、多くの証明書類が求められます。
これらの書類を集め、適切に整理し、期限内に提出することは、通常業務を行いながらでは管理が難しく、非常に面倒くさい作業です。
メリットがわからないという人もいるかと思いますので、どのようなメリットがあるのか次章で詳しく解説します。
補助金を申請するメリット
補助金を申請すると、自分のプロジェクトや事業にたくさんのメリットがあります。
まず、返済の必要がないお金を手に入れることができるので、新しい機会を買ったり、新しいサービスを始めたりするのに役立ちます。
その他、社内業務の効率UPに繋がる補助金などもあります。
次に、補助金をもらうことで、さらに、補助金を使って、普段は難しいかもしれない新しいアイデアや技術に挑戦することができ、事業を成長させる大きなチャンスになります。
このように補助金は、事業を強化し、新たな可能性を広げるための強力なサポートとなるのです。
下記のようなメリットがあるためです。
・メリット1 資金面でのサポート
・メリット2 技術革新と市場競争力の向上
・メリット3 組織の能力向上と効率化
これだけではよくわからないという人もいると思いますので、それぞれのメリットについて詳しく解説していきます。
資金面でのサポート
補助金を活用することで、通常の事業運営や新規プロジェクトの立ち上げに必要な資金調達に伴うリスクや圧力が大幅に軽減されます。
これは特に資本が限られているスタートアップや中小企業にとって、経済的な自由度を大きく向上させる効果があります。
経営資源を他の重要な分野に集中させることが可能になります。
技術革新と市場競争力の向上
補助金によっては、新しい技術やサービスの研究開発に投資することで、会社は市場での競争力を強化することができます。
特に高額な初期投資を必要とする革新的な技術や製品開発において、補助金はリスクを分散し、企業の成長機会を大幅に拡大します。
組織の能力向上と効率化
補助金を活用して業務プロセスの改善や効率化を図ることができます。
例えば、最新のITツールや設備を導入することで、作業の自動化や時間削減を実現し、従業員がより戦略的な業務に集中できるようになります。
これにより、組織全体の生産性が向上し、長期的な事業の持続可能性が高まります。
補助金を申請する手順
ここまでの説明で、メリットもあることをわかってもらえたかと思います。
そこでここでは、補助金を申請する場合、どのような手順で手続きなどを行っていけばいいのかについて解説していきます。
要件や条件を確認する
最初に、あなたが補助金をもらう資格があるか確認しましょう。
補助金のウェブサイトを見るか、関連する行政書士さんに電話して、必要な条件をチェックしてください。
これはとても大切なステップになります。
必要な書類を準備する
補助金をもらうためには、いくつかの書類が必要になります。
たとえば、計画書や財務状況を示す書類です。
これらの書類をきちんと準備し、正確に記入することが重要です。
申請書を提出する
全ての書類が揃ったら、指定された方法で申請書を提出します。
オンラインで提出することもできますし、直接持って行って提出することもあります。
提出後は、結果が出るまで待ちましょう。
補助金するときの注意点
補助金の申請で気をつけなくてはいけないポイントもあります。
どのような点に気をつけなくてはいけないのか、注意点をまとめましたので、そちらもしっかり確認しておいてください。
資格と条件の確認
補助金を申請する前に、自分が申請資格を持っているかどうか、そして補助金の具体的な使用条件を十分に理解しているかを確認することが非常に重要です。
資格や条件が事業に適していなければ、申請しても承認されない可能性があります。
また、条件を満たしていない場合には返還義務が発生することもあります。
申請する補助金の目的、対象者、使用可能な範囲、報告義務などの詳細をしっかりと理解し、計画的に申請することが求められます。
正確な書類の準備
補助金申請の際に提出する書類は、その正確性と完全性が審査の重要な基準となります。
事業計画書や予算計画、必要書類の不備があると、申請が不承認になることが多いです。
すべての書類を慎重に準備し、必要な情報が網羅されていることを確認してください。
また、期限内にすべての書類を提出することも重要です。
提出期限を逃すと申請のチャンスを失うことになるため、スケジュール管理には特に注意が必要です。
継続的な報告
補助金を受け取った後は、補助金の使用に関する継続的な報告が求められることが多いです。
補助金の目的に沿った適切な使用と、定期的な進捗報告や最終報告を怠らないことが重要です。
これにより、補助金の目的が達成されていることを示す必要があります。
報告を怠ると、補助金の返還を求められることもありますし、将来的に他の補助金を申請する際の信用問題にもつながります。
計画に基づいた適正な管理と透明な報告が求められます。
まとめ
補助金は経営にとって、大きなサポートになる反面、第一歩となるマニュアルが本当に読みづらく、ある程度文章に抵抗がない人でも理解に苦しみます。
国が管轄しているものなので仕方がない事でもあるわけですが、政策の一助として補助金の活用が国にとっても事業者にとってもWINWINの形になるのが理想です。
一方でYOUTUBEなどでも、毎日毎日士業の方が無料で説明をしてくれています。
でも動画を見るのも面倒くさいですよね。
要は情報過多で、多くの人が『何から手をつけていいか分からない』と感じることが多いのが実態だと思います。
まずは、一人で悩まず専門化か補助金のサポートをしている会社に頼むのが早道になります。
ただし、専門家に何でもかんでも任せるのがOKというわけではありません。
必ずどんな補助金を申請していて、補助金を受け取った後の継続的な報告が必要なことは覚えておきましょう。